日銀の国債買いオペで札割れ? 超基本からわかりやすく解説!

金融

今日は「札割れ(ふだわれ)」という経済の話題について、とりあえず理解していると会話ができるという程度に、できるかぎりわかりやすく説明します。

買いオペとは?

まず、前提の知識として、国債と日銀の買いオペを確認しておきます。

国債は、国が発行する債券ですが、国の借金のようなものです。

買いオペとは、日銀がそれをたくさん買うことで、国債の価格をあげて金利を低下させる一方、日銀から市場にお金を流し、みんながもっとお金を使うことにより、物の値段が上がるすなわちインフレの方向に動くように調整しようとすることです。

「札割れ」とは?

では、本題の「札割れ」です。「札割れ」とは、日本銀行が国債を買おうとするけれど、予定していた金額ぶんの国債を買えなかった時のことを言います。具体的には、日銀が「1兆円分の国債を買います」と言ったのに、市場に出てくる国債が7,000億円分しかなかったら、予定の1兆円分を買えませんよね。これが、札割れです。

金利水準が市場の期待に合わない場合、具体的には、市場の不安などから投資家がリスク回避のために安全な資産である国債への投資を選考し国債が市場に出てこない場合などに、札割れが発生しやすくなります。

札割れが起こると、どうなる?

簡単にいうと、札割れが起こると、金利も下がらないし、日銀から市場へお金をうまく流せず経済の活性化も進まないし、市場も不安になるので、日銀が目指している「物価を2%上げる」というインフレターゲットを達成するのが難しくなることが想定されるんです。もう少しだけ詳しく説明していきます。

金利が下がらない

まず、日銀が国債をたくさん買うと、国債の供給が少なくなるので価格は上がり、結果として金利が下がります。金利が低くなると、企業はお金を借りやすくなり、設備投資を増やします。個人も家を買いやすくなります。こうして経済が活発になります。でも、札割れが起こると、金利が思ったほど下がらず、経済があまり活発にならないんです。

国債の価格が上がると金利が下がる?

国債の価格が上がると、金利が下がるという点についても、もう少し説明しておきます。そもそも国債の金利は固定で発行されていることが多いです。もし国債の固定金利が2%で、その国債の価格が市場で100万円から110万円に上がったとします。同じ国債を110万円で買ったとすると、毎年もらえる利息は変わらず2万円です。ここで、2万円を110万円で割ると、実質的な金利は約1.82%になります。つまり、国債の価格が上がると、その分金利は下がるんです。

銀行の貸出が増えない(お金が流れない)

話を戻しますが、2つ目のポイントとして、日銀が国債を買うと、その対価としてお金を市場に流します。このお金が銀行に行き、銀行はそれを使って企業や個人にお金を貸し出します。みんながもっとお金を使うことで、物の値段が上がることを期待しているんです。でも、札割れが起こると、予定通りにお金を流せないので、その効果が減ってしまいます。

消費が増えない➡物価が上がらない

3つ目のポイントは、日銀が予定通りに国債を買えないと、「日銀の政策がうまくいってないんじゃないか」と市場が不安になります。みんなが不安になると、お金を使うのを控えてしまい、物の値段が上がりにくくなるといわれています。

まとめ

というわけで、札割れが起こると、金利も下がらないし、日銀から市場へお金をうまく流せず経済の活性化も進まないし、市場も不安になるので、日銀が目指している「物価を2%上げる」というインフレターゲットを達成するのが難しくなることが想定されるんです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました